電車の中で、瀕死の虫をみた。はじめはぶんぶん飛び回っていたのだけど、そのうち床(通路)に落ちて、もがき始めた。飛ぼうとしては飛べずに、何度も転んだりしている姿をみていたら哀れで、いっそのこと踏んであげたほうがいいんじゃないかしらと思ったけど、座っていたし、できなかった。
その虫の命は、駅についたときにサラリーマンに踏まれ終わった。
じゅんかは一心不乱にその虫のことを見つめていたのだけど、ふと、向かい側の席の女性を見たら、同じように見ていた。
中学生の頃に、蚊か何かは忘れたけど、虫を叩いたあとで、「この虫にも家族があるのか」と思ったら辛くなった。それからは、害虫以外は叩かないようになった。
虫に感情移入すると、辛いね。